素敵な時間『シチリア島』物語

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エリーチェ
どこまでも続く石壁に囲まれた
天空の迷路での幸せなハプニング。

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三角形におさまったエリーチェの町は、どこまでも続く石畳と壁に囲まれた細い路地がまるで迷路のように
続いている。

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下界から切り離され、
雲に手が届きそうなほど高地に築かれたこの町は、

女神ウェヌスを祀る聖地として
語り継がれている。

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中央広場にあるカフェに
辿り着くと、視界が開けてホッとする。

坂道の昇り降りに疲れたら
ひと休み。

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音も消されてしまうような冷たい路地を歩いていると、何度も同じ人に
出会った。

ひとり旅をしているらしいその女性は、同じように天空の迷路にさまよいこんだ旅行者。

道に迷って立ち止まっていると
不思議とまた出くわし、広場への
道を教えてくれたりして、
そんな偶然のハプニングに少し楽しくなり足どりも軽くなる。

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広場のカフェで冷たい
リモナードを注文し休憩。

3匹の犬が無防備にお腹を見せて寝ているのを横目に、
歩き疲れた身体を休めていると
ジリジリと太陽が首筋を熱くする。

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遮る壁がないと、やっぱり
シチリアの強い太陽がすぐ頭上にあるのだということを再確認。

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その夜

レストランでまたあの女性に出会い、
恥ずかしげに挨拶をして席についた。

その時お互いが微笑んだのは、
旅先でのささやかな親近に少し幸せな気持ちになったのと、

またどこかで出会えるような予感がしていたから。

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