イタリア人に愛された日々
最初は花の都フィレンツェで
セントラルパーク広場で
ヴァイオリンやチェロ・などの
生演奏を一人でうっとり聴いていたら… イタリア男性が現れて
『近くにベッキオ橋があるから
案内してあげる。ダンテの家も見せてあげる。それから古い教会も……』
と心優しく声をかけてくれました。
写真は橋の上でアドレスを聞かれてメモを書いている、わたしの後ろ姿と声を掛けて来た男性です。
隣に立っている女性は神戸から同じツアーで来ていた方で
あとで「もう!ついて行っちゃダメよ!!心配したわ…」と母親のようにわたしの身を心配してくださいました。
フィレンツェの男性は英語の勉強をしていたということで、イタリア語ではなくすべて英語で会話してくれました。
わたしの職業を聞かれてhairdresser
美容師と答えると
『それなら僕の部屋を貸してあげるからイタリアで美容師すると良い!!』っていきなり初対面で
ものすごいアプローチ
フィレンツェではガイドさんが
友達のシェフが美味しい
『ティーボーンステーキ』を食べさせてくれる店をやってるから一緒に行きましょう!と声をかけてくれて、
旅で最高の食事ができました。
キャンティクラシコ2002の赤ワインも
美味しかった…
…そして その夜
フィレンツェの男性がホテルまで
わたしを迎えに来ました。
『今から、フィレンツェでいちばん古い教会に連れて行ってあげる!』
ここまでされたら
行くしかない…か?!?
勢いで彼の車に乗って出掛けてしまいました。
命知らずかもしれない…。
無事に帰って来られるって保証はないのに。
月の綺麗な真夜中
ドラキュラが現れそうな本当に古い教会そして十字架の墓場と無数のキャンドル…う~ん 妖しい。
映画のプロモーション撮影ができそうな、思わず墓場で写真を撮りたい気分になりましたが…顰蹙をかうと思って諦めました……何か幻想的な
光景にも見えて
美しかったのです。
日本のお墓とはまるで違う
…だって普通 恋人同士で行かない
場所ですよね‥
ここは小高い丘の上というか、森の奥深くフィレンツェの街の夜景が小さく見えるところにありました。
……しかし
フィレンツェのカップルはたくさん
墓場や古い教会の周りにいて賑やか
まったく怖くはありませんでした。
mosquito(蚊)に血は吸われましたが、男性はとても紳士で
「キミの話し方は歌を歌うように聞こえるね。何か日本の歌を歌ってくれない?」と言ってくれました。
わたしが歌った歌は竹久夢二の
『宵待草』よいまちぐさ
竹久夢二は画家であり詩人でありました。
♪待てど 暮らせど
来ぬ人を 宵待草のやるせなさ
今宵の月も 出んそうな…
日本の歌は他にもあるのに
わたしが月好きのため、とっさに
出た歌が『宵待草』でした。
フィレンツェの男性は感動してくださって、「春に京都へ遊びに行きたいんだ。キミに案内を頼みたい。」
とおっしゃいました。
ホテルまで帰る途中
「イタリアン・キッスしても?」
と聞かれ
わたしは「Non Nonごめんなさい。」と答えました。
フィレンツェの男性は
「わかった…悪かったね。」と
言ってわたしをホテルまで無事に
送り届けてくれました。
『ドキドキ…ドキドキ……』
『ほんとうは、わたし危ない事をしてしまったんだ……。』少し反省していました。ホテルの部屋に辿り着いて独りきり。『ドキドキ……』
それから日本へ帰って間もなく
フィレンツェの男性は何度も電話をくださいましたが、わたしも忙しいのでゆっくり話が出来なくて可哀想なことをしてしまいました。
明日はローマを