『時の配分』

見つめ合った時間だけ
ひとりの時間が深くなるなら
この今の時間は
あなたと共有しているこの時間は
いったい誰の時間だろう……

僕たちの時間は僕のものでも
あなたのものでもなくて
恋のものだ

その恋を失った時に
僕の中で失ってしまう時間というものを覚悟しなければ

今 あなたの口からこぼれる愛の誓いにも約束にも
いさぎよく身を投じることが
できない

あなたの瞳の配分をゲームのように理解して
あなたの嘘の配分をおやつのように楽しんで

薄いラベンダー色の便箋に
あなたに夢中な人への言葉を真剣に書いている

かわいらしい浮気者の
うわの空の口づけを待っていた
銀色夏生

