1時間だけの逃避行。
夕方の仕事が
早めに片付いたから
お兄ちゃんを塾へ送って行って
その帰りの車は
海へ向かっていた。
晩ご飯の準備までには
帰るから…
とにかく
「 ひとり 」になりたかった。
夏休みに入ってからというもの
毎日、子供たちと一緒に過ごす日々。
手伝いの一つ
してくれない。
使えない「オトコトリオ」に
胸の奥のほうが
そろそろ限界を感じている。
それでも
「 ひとり 」で運転していながら
子供も一緒に来たかったかな?
とか
今度は、あの子をドライブに
連れて行ってあげようかな…?
とか
あの子は大丈夫かな…?
と人の心配ばかりしている自分がいた。
途中で
寄った、ドラッグストアから
出て来た時の空の色が
綺麗なパープル色をしていて
「 もう、早く来ないと消えちゃうよぉ?」
と言われている気がして
慌てて、車に乗り込んだ。
海まで着いたら
まだ
遠くの空は
ゆっくりと色を変えてゆこうと
していたんだよね。
……?!
なんか
人の顔が、たくさん見えて来た。
そろそろ
家(うち)へ帰ろう。。
さよなら
大好きな海よ。
あなたは、いつも
黙って、私を癒してくれる。
だから
好き。