『 横顔 』
かけがえのない
あなたのために
居心地いい住みかを
しつらえましょう。
美味しい食事を こしらえましょう。
着るものも 清潔に 整えましょう。
わたしなしでは 生きられないと 微笑んでくれる、 あなたとの暮らしに
足りないものは 何もない。
けれど もっと深い愛なら どうするだろう。
いつか どちらかが
いなくなったあとの 残り時間を
うろたえないで 気強く 全うできるように
互いを ひとり立ち させようと
つとめるのだろうか …
わたしは 黙って あなたの横顔を見ている。
あなたは 黙って わたしの手を撫でる。