月とギリシャ神話
それは
菊地成孔(きくち・なるよし)
有名な作曲家であり、作家
ジャズサックス奏者がテレビに出演していて夢中で見ている時だった…
「月の本」
角川書店 をパラパラと読んでいた。。。
そこには冬の空に美しく輝くオリオン座の興味深いギリシャ神話が語られていて…
私のピント(意識)はそちらに集中してしまった。
どちらも同じくらい魅力的なのだけれど、まさに『月』の引力に引き寄せられたようだ……

ギリシャ神話によると
オリオンはたいへんな美男子で狩りの名人、そしてなかなかのプレイボーイである。
月と狩猟の女神アルテミスが、
そんなオリオンに恋をした。
ところが、アルテミスは清純無垢な
処女性のシンボル。
双子の兄である太陽の神アポロンは、妹がプレイボーイのオリオンと恋仲になるのに大反対だった。
そこで、ふたりの仲を引き裂くためにアポロンは考えた。
ある日、川を渡っているオリオンを見かけたアポロンは、
彼に向けて日の光を当て、黄金色に輝くその姿をアルテミスに遠くから見せてこういった。
『おまえは弓が上手だといっても、あそこを渡っていく鹿を射ることはまさかできないだろう』
それを聞いたアルテミスは、
『兄さん、私をばかにしないでちょうだい』
矢は見事に命中し、黄金色に光る鹿は川の中に姿を消してしまった。
川岸に打ち上げられたオリオンを見たアルテミスはたいそう驚き、
嘆き悲しんだ。
泣き叫ぶ妹にアポロンは、オリオンとの恋は許されるものではない、
女神として自覚を持て、といって
諭(さと)す。
ようやく落ち着きを取り戻したアルテミスは、兄アポロンにいった。
『オリオンにできるだけ立派な場所を与えてやってください。そして、私の通り道からあまり遠くないところに……』
銀の馬車に乗って通り過ぎていく
月の女神のかたわらには、
三つ星の帯をしめ、ライオンの毛皮の楯(たて)を左手に、こん棒を右手に掲げ持つオリオンの雄姿が見られる。
冬の夜空に輝くオリオン座と月の女神アルテミスの美しくも悲しいお話である。










