『 朝の散歩 』

クリムソンレーキとホワイトパールをまぜたような空に小さな虹。
………………あの虹の存在に気づいた人は何人いたかな………?
皆んな慌ただしく、
自転車を漕ぎ、車は走り去ってゆく
ウォーキングしている人はサングラスなんかしているから見えるはずがない。

その小さな虹は
カメラでは色をとらえることが
ほぼ不可能なくらい繊細なものだった。

数分間。
虹は姿を見せて消えた。
私は立ったままそれを見ていた。
コートから覗いた顔が冷たい。
秋風が頬を流れてゆく…
……そういえば、夕べ出した手紙。
送り主のことを考えながら、
許しながら、諦めながらでも気にしている。

久しぶりに朝の光りの中を散歩している。
「いいもんだなぁ……」
と感心しながら家の周りをぐるりと歩きつづけた。
(実を云うと、ごみだしのついでに外に出た………。)

朝の光り つまり日光浴は
カラダの機能をリセットさせる
効果があると云う。
気持ちもリセットさせてくれるので
ハートも喜ぶそうだ。
「なんか気分がいい」
朝の光りに包まれて
家のうしろを流れる久万川に鴨が群れて優雅に泳ぐ光景は
まるでパリのセーヌ川辺りを散歩しているような錯覚に一瞬 連れてゆかれた………。

さぁ‥
現実の世界へもどろう。
今日は休日、
誰にリードされるでもなく
それなりに計画してあることを
こなしてゆく1日が始まる。

二匹の猫は、代わるがわる
私に付きまとい瞳の奥を覗いているようだ。
コーヒーをあたためよう!
さぁ準備しよっ。


